ハードディスクをDS412+内に無事に装着できたら、あとは実際に利用してみることにします。
LANケーブル、電源ケーブルを背面の差し込み口にそれぞれ挿し、本体前面右下にある電源スイッチを入れます。
電源が入ると上部のステータスランプがオレンジ色に点滅をします。(ボリュームの劣化または障害がある時やボリュームが存在しないときに点滅) 初期状態ではもちろんボリュームが存在しませんので、この表示で正常です。
しばらくすると、オンライン上に DS412+が認識されます。 管理ソフトである、DSMをインストールしてみます。
インストールディスクから管理ソフトをインストールしてみる
付属のインストールCDをターゲットとなる同一LAN上のPCに読み込ませます。 しばらくすると、上記のセットアップウィザードが立ち上がります。起動をクリックしてください。
起動ボタンを押すと、Synology Assistantのインストールが開始されます。
インストール時には言語も選べるようです。通常はこの Japanese を選んでおけば問題ないでしょう。 海外製品にありがちな、変な日本語が出現する割合は極めて低いようです。
ウィザード形式のウィンドウが立ち上がります。
次へを押して進めてください。
そして同意を求める画面が出てくるわけですが、いきなり英語です。
普通の人はここでビビります。
しかしご安心を!メッセージが書かれているエリアを半分ほどスクロールさせると、日本語で書かれている箇所が現れます。
これで海外の言語が苦手な方でも普通に読めますね!
インストール先のフォルダを指定することになりますが、そのままインストールを始めても問題ないと思います。
Windows自身が出すアラートで、セキュリティの確認画面が出てきます。
インストールをしないと先に進められないので、気にしないでインストールをしてしまってください。 Synology製品に信頼を寄せている方は、信頼するにもチェックを入れちゃいましょう。
これで無事に、Synology Assistantのインストールが完了しました。
Synology Assistant 経由でDiskStationManagerをインストールする
Synology Assistant が立ち上がりました。
このソフトは LAN 内の DiskStation を検索して見つけてくれます。DiskStation のステータスは 未インストール になっているはずなので、ダブルクリックをしてください。
セットアップが開始されます。
写真ではDiskStationが2台見つかったことになっていますが、このDS412+はLANコネクタが2つあり、それぞれにLANケーブルを接続するとIPアドレスの振り分けの関係で見かけ上2台のDiskStationがあるように表示されます。
DiskStationManagerのインストールはそれぞれに行う必要はありません。
管理ソフトのDiskStation Managerをインストールするために、参照ボタンを押して該当のファイルを選びます。
最新版のファイルはネットからも落とせますが、とりあえずインストールディスク内のファイルを使います。
DSMフォルダを選択してください。
今回は、DS412+へのインストールですので、一番上のファイルを選んでください。
次へを押してインストールを実行します。
デフォルトの管理者名である admin のパスワードを任意に入力します。
忘れないものを付けましょう。
サーバー名はデフォルトで DiskStation となっています。
特別な事情がなければそのままでも構いません。
また、このタイミングでNASのボリューム(いくつかの物理ディスクを繋ぎ合わせて大きな論理ドライブとして管理するときの呼称)をSHR(Synology Hybrid RAID)という、Synology社オリジナルのRAID方式で作成するかどうかを指定できます。
特にこだわりがない場合、SHRがおススメです。
※ admin のパスワードをうっかり忘れてしまった場合には、本体のリセット機能を使って管理者パスワードをリセットしましょう。本体背面のLANポート左側に「reset」ボタンがあるのですが、これを4秒間押し続けて ください。DS412+から「ビー!」とビープ音が聞こえたらリセットの完了です。パスワードは空白になっています。新たにパスワードをセットしておくのをお忘れなく。
DiskStationで利用できるRAIDの種類とそれぞれの特徴 (マニュアルより抜粋)
- RAIDの種類 黄色は障害による復旧の仕組みはナシ … 利用できる容量
- SHR … システムによる最適化
異なるサイズのハードドライブを結合している場合にストレージ容量を最適化することができます。SHR ストレージスペースが 2つ または 3つのハードドライブで構成されている場合、そのいずれかのハードドライブに不具合が生じてもデータの整合性は保護されます。SHR ストレージスペースが 4 つ以上のハードドライブで構成されている場合、そのハードドライブの 1 つまたは 2 つに不具合が生じてもデータの整合性は保護されます
- Basic … 1 x(HDD サイズ)
Basic ボリュームは、独立した装置として 1 つのハードドライブに作成されます。Basic ボリュームを作成する場合は、1 度に選択できるハードドライブは 1 台のみです。
- JBOD … HDD サイズの合計
JBOD はハードドライブの集合体です。
- RAID 0 … (HDD #)x(最小 HDD サイズ)
ボリュームを構築する複数のハードディスクを組み合わせて、RAID 0 はストライピング、データのブロック分割、および複数のハードドライブ全体へのデータブロックの展開の処理を安全対策なしで提供します。
- RAID 1 … 最小 HDD サイズ
システムは同時に各ハードドライブに同一のデータを書き込みます。そのため、少なくとも 1 つのディスクが正常であればデータの整合性が保護されます。
- RAID 5 … (HDD # – 1)x(最小 HDD サイズ)
RAID 5ではバックアップオプションが用意されています。パリティモードにより 1 台のディスク装置のサイズに匹敵する記憶領域に冗長なデータを記憶します。
- RAID 5 + Spare … (HDD # – 2)x(最小 HDD サイズ)
RAID 5+Spare ボリュームを構成するには、4 台以上のドライブが必要です。その内 1 台をホットスペアドライブにして、ドライブに不具合が発生した場合に自動的にボリュームを再構成するために使用します。
- RAID 6 … (HDD # – 2)x(最小 HDD サイズ)
RAID 6 には、特別なデータ保護があります。パリティモードにより 2 台のディスク装置のサイズに匹敵する記憶領域に冗長なデータを記憶します。
- RAID10 … (HDD # / 2)x(最小 HDD サイズ)
RAID 10 は RAID 0 のパフォーマンスと RAID 1 レベルのデータ保護機能を持っています。RAID 10 は、2 つのハードドライブをひとつの RAID 1 グループに結合し、RAID 0 のすべてのグループを結合します。
※記載されているすべてのRAID方式に対応しているかは、DiskStationの型番によって異なります。
上記RAIDの表からも分かるように、SHR方式を利用することで、異なる容量のハードディスクを利用した場合でも最大限にその容量を活用することが出来つつ、なおかつ複数ドライブ装着での利用が前提ですが障害発生時のデータ復旧に関しても比較的安全に運用することが可能になります。
初期設定時はボリュームを作成しなければならないので、このままOKを押して先に進みます。
SHR方式はボリュームの作成にかかる時間も他の方式と比較してかなり短いです。
次にネットワークの設定を行います。特に問題が無ければDHCPサーバーのネットワーク設定を自答的に取得する設定にして、終了ボタンを押します。
しばらくするとDSMのインストールが完了します。一部終了していない項目もありますが、裏で勝手にやってくれているので気にしないことにします。
こちらが管理ツールへのログイン画面です。ユーザーには、admin を、パスワードには先ほど設定したモノを入力してログインしてください。
これでようやく DSM(DiskStation Manager)の世界へやってきました。
まわりのブラウザの枠が見えなければ、普通のOSの画面に見えてしまいますよね。
ちなみにインストーラーは、Windows版の他に、Linux、Mac OSX版が用意されています。
画面中央では先ほどSHR方式で作成させておいたボリュームを確認するかどうかのシステムメッセージが出ています。
無事にボリュームが作成中のようですね。
装着した3台のハードディスクも正常に動作していることがわかります。
準備の最終段階 JAVAのインストールとDSMのバージョンアップをする
DSMをインストールディスクからセットアップしたわけですが、画面右上でJAVAのインストールを促すメッセージが出ています。
メーカーさんに確認したのですが、『ブラウザ経由でファイルのやり取りを行わせる場合、Javaをインストールしていないと ファイルの書き込みができないなど一部の機能に制限がかかる』とのことでした。
ここは素直にJAVAをインストールすることにしましょう。 画面右上のメッセージエリアにあるJavaへのリンクをクリックします。
Java.comのサイトにやってきました。
中央の赤いダウンロードボタンを押してダウンロードを完了させます。
画面左のデスクトップ上に並んでいるアイコンの中から、File Stationを選択します。
するとこちらでも『このWebサイトは、Oracle America,Inc. からの ‘wsdetect.dll’ アドオンを実行しようとしています (許可)』とメッセージが出ます。
こちらも同様の理由で必須な準備とのことですので、こちらも許可をしてインストールを進めてください。
事前準備の終了まであと少しです。
左上のメインメニューボタンを押し、コントロールパネルアイコンをクリックします。
コントロールパネルを開いたら、右下にあるDSM更新を押してください。
DSMのバージョンアップ版が存在しているかをチェックします。
状態の欄に緑色でDSMの更新バージョンがある旨の通知がありました。
(ダウンロード)となっているリンクをクリックしてDSMの更新ファイルを本体にダウンロードします。
DSMの更新ファイルが本体にダウンロードされ、更新の準備が整うと『今すぐアップデートする』…というメッセージに切り替わります。
リンクをクリックするとDSMの更新をしていいか聞いてきます。
『はい』を押して進めてください。
『現在のDSMは最新バージョンです』…となっていたら無事に準備完了です。
今後も更新が行われる可能性がありますので、チェックボックスはオンのままをおススメします。
これでようやくソフトのインストールが完了しました。
次のフェーズではDSMやDS412+を利用する前に気を付けておきたいことを説明します。